届いた手紙

ふたたび届いたフロイハイルからの便り

カルザスは芸術家たちの町でもあるので、多くの物づくり屋が集まっています。だから、商品を送りたい、送って欲しいという人は多くいるのです。

私が送っていた商品は、女性向けアクセサリーブランドで、注文はひっきりなしありました。日常のものから、パーティー用、戦闘用のものまで。
ある時、有名な宮廷舞踊家がうちで取り扱っているアクセサリーを身につけて踊ったことで、宮廷関係者や貴族から注目を浴びて、人気に火がつきました。

アクセサリーとしては、小さいものですが、自分のステータスを調整する上で、この世界では欠かせないアイテムなのです。

さて、それでもどうしてその町を離れたのか。
それは、静かなところに身を置きたかったのです。慌ただしい流れに合わせて、物を送り続けていくことが自分にとって良いことなのか。
考えなおそうと思ったのです。

この世に生を受け、身に宿された魔法を社会のために使って生きるのが、この世界の暗黙のルール。実際に、その決まりを書いた教典があるわけではない。でも、だれもがそうだと思いながら日々を生きている。

私はそこから離れたかった。

カルザスの町はとても賑やかなところで、刺激がとても多すぎたんだと思います。その刺激がだんだんつらくなっている自分がいました。
今いるフェレルは、海があり少し行けば山もある静かなところです。今では、自分の周りの空気がとてもゆっくり流れているように感じます。
カルザスの突風のような生活となんだったのか。今思えば、怖いくらいの。